わからんから面白い魏志倭人伝

三国志の時代の魏志倭人伝にはわからん事が多い。わからんからそのまま想像力を働かして楽しんじゃお!

語り部

文字を持たない民族は、歴史をどのように後世に伝えるだろうか?

文字を持たない(文化レベルの低い)民族は歴史を後世に伝える気がない、と考えるのはたぶん間違っている。

いかなる民族も、部族も、個人も、言い伝えを、先祖の経験を、そして自らの体験を、できれば後世に伝えたい、と思っている。

文字が無いから言葉を次の世代に残すには語り部が必要になる。おそらくすべての民族・部族において語り部の機能をもつ人がいたと思う。

例えばアイヌにもそういう人がいて、金田一京助氏によって文字に記録された。少々やり方が強引だったらしいけれど。

オーストラリアのアボリジニや、ネイティブアメリカンの場合も最近ようやく知られてきた。

残念なのは、マヤとかインカ、イースター島民の語りが永遠に消滅した事だ。

古代日本では、職能集団として語り部がいた。天皇家だけでなく各地の豪族がそれぞれ語り部をもっていたようだ。稗田阿礼天皇家語り部であり、出雲風土記にも語り部の名が記されている。

そうして、幸いなことに、稗田阿礼の語りを太安万侶が文字化して古事記が残った。

さらに、各地の語りを集め、中国や古代朝鮮の歴史を加味して、日本書紀ができた。

古代歌謡を集めて万葉集が成立した。

21世紀に生きる日本人として、古代日本の記・紀・万葉を読めることに感謝したい。