まず、海上から富士山が見える範囲を考えてみる。
上式で、R=6400km、H=3776m(富士山の高さ)、h=1.6m(人の身長)をm単位をkm単位にそろえてから代入すると距離は224kmになる。
ここでネットで探してみると、日本地図センター
に、「富士山ココ」
https://info.jmc.or.jp/fujisankoko/
という便利なHPに出会った。そこでは遠くから見えた富士山の写真が掲載してある。
八丈島の大越アロエ園から撮った写真(大越アロエ園から ©苅田義之)がある。
八丈島から富士山まで262kmだ。
上記計算では224kmだから、「あれおかしいな」と一瞬思ったがたぶん大越アロエ園の標高が結構あるのだろう。仮に標高150m(h=150m)とすると見える範囲が264kmとなってかろうじて富士山が見えることになる。
実際大越アロエ園から撮った写真を見ると、冬の真白い富士山のてっぺんだけ(8合目以上くらいか)が海上に浮かんでいるイメージだ。
同じ八丈島でも標高850m位の山から撮った写真(八丈東山(三原山)から ©吉野宏・吉野百里枝)には富士山の麓までしっかり見えている。
ということで、八丈島から富士山が見えた。
しかしいつも見えるわけではない。
途中に、雲や霧がかかればまるっきりだめだし、晴れても空気があって光が散乱するから普通は見えない。
冬の真白い富士山の方がやってくる光量が多くて見えやすい、という事もある。
私は川越に住んでいた時には、冬は晴れていれば白い富士山が見えた。しかし夏には富士山も青っぽくて周りに溶け込んでしまってあまり見た経験がない。
富士山から川越までは大体100kmだ。
そのくらいの距離でも夏には見えたり見えなかったりという事だ。