わからんから面白い魏志倭人伝

三国志の時代の魏志倭人伝にはわからん事が多い。わからんからそのまま想像力を働かして楽しんじゃお!

「親魏倭王」の印影がある!??ーその2

 

aki104.hatenablog.com

親魏倭王」の印影が「宣和集古印史」という書にある。印影は楽篆堂さんのHP

http://www.lucktendo.co.jp/blog/2013/12/post-431.php

で見える。

素人の私が見るとその字体などいかにも擬古的であって本物のように見える。

そこで、他の金印である、「漢委奴国王」「滇王之印」「廣陵王璽」と比べる。こちらの印は皆

https://blogs.yahoo.co.jp/kawakatu_1205/54271842.html

から見える。

ここで「王」の字がすべてにある事に着目したい。

その「王」の字について、「親魏倭王」の「王」は中の横線が不自然なほどに上に位置する。

そうして「滇王之印」も同様だ。

一方、「漢委奴国王」と「廣陵王璽」の「王」の字では、中の横線はほぼ真ん中の高さに位置する。

また、文字の角の丸みも「滇王之印」に似ている。

それに対して「漢委奴国王」と「廣陵王璽」では角が尖っている。

つまり「親魏倭王」の印影は「滇王之印」に似ている。

それに対して「漢委奴国王」と「廣陵王璽」は違っている。

製作年代は、「滇王之印」は三国時代から300年も遡る前漢時代だ。

「漢委奴国王」と「廣陵王璽」に後漢時代だ。

親魏倭王」は三国時代だから後漢の直後だ。

三国時代の「親魏倭王」の印影が、後漢の印と異なり、ずっと古い前漢の印と似ているのはどういう事だろうか?

以上から「親魏倭王」の印影は後世(明時代?)のにせものだと想像する。

にせもの作りの作者は前漢時代のいくつかの印影を見て知っていて、それをモデルにして三国志に記載のある「親魏倭王」の印を安い銅または木で作り、その印影を本(印譜という)に残した。

なぜそんな手の込んだことをするかというと、当時古代の印の印影を集めた印譜は高く売れたからだ。中でも北宋徽宗が作らせた「宣和印譜」が現存すれば法外な値段がつくはずだ。

「宣和集古印史」はそうして作られたものだ。

そのように想像して改めて「親魏倭王」の印影と「滇王之印」を見比べると、「滇王之印」に古代らしい素朴さが見られるのに対し、「親魏倭王」の印影はちょっと技巧的過ぎて、近代的印鑑製作技術を使っているように見える。