古代鏡はどうやって作ったか想像したい。
以下の手順だ。
1.基本の「型」を作る。あるいは既成の鏡を「型」として用意する。
2.「型」の「逆」(鋳型)を作る。鏡の場合鏡面側と模様面側の2個の「逆」(鋳型)が要る。
3.二つの「逆」(鋳型)を合わせて、溶かした白銅を流込む。
4.銅が固まったら、「逆」(鋳型)を壊して鏡を取出す。
5.鏡面側を磨いて鏡に仕上げる。
参考にしたのは以下の上田合金訪問記(2007.2.24)だ。
「古代鏡製作」http://inoues.net/study/takaida.html
本HPは実に素晴らしいHPで、以下を学ばせてもらった。
a)「逆」(鋳型)は砂を固めて作る。梅原末治さんの漢三国六朝紀年鏡図説にもそうあった。
b) 「逆」(鋳型)を粉々に壊さないと鏡を取出せない。「逆」(鋳型)は2度と使えない。従って同じ鋳型を使った同範鏡などは存在しない。基本の「型」から複数の「逆」(鋳型)を用意して作る同型鏡は存在する。
c) 紐を通す穴は「逆」(鋳型)に心棒を設置して作る。
d) 鏡は鏡面が凹なのが基本。理由は書いてない。しかし私も実用性からそう思う。
古代鏡職人は、基本の「型」を作る上で、過去の鏡を参考にした。
むしろ多くの場合、過去の模様をそのまま取入れただろう。取入れ、いくらかの修正を加えて新しい「型」を作った。
例えば、三角縁神獣鏡などは、「早く、大きな鏡を作れ。」と命令され、過去の中型の鏡の模様をそのまま使いそれに単純なパターンをもつ外周部を付加して大きくし、言わば嵩上げして作ったのではなかろうか。
大きくすると熱収縮した時の全体のバランスが崩れて割れてしまうものも出た。そこで外周を厚くしさらに縁に三角形の出っ張りを付けた。
どうも、三角縁神獣鏡を眺めているとそのように思えてしまう。