前回日本人の起源として主に4つタイプ(C1a1、D1b、O1b2、O2)の変異をY染色体にもつ人々をあげた。
・C1a1とD1b:いわゆる縄文人:現日本人の約40%
・O2:現中国人の大半を占める:現日本人の約20%
上記考察は崎谷満さんの本に詳しい[1]。
[1] 崎谷満、「新・日本列島史」(2009)
縄文人のタイプは現日本人の中に40%も残っている。
いわゆる弥生人は、上記のO1b2とO2を示す。
こうしてみると、弥生人が縄文人を駆逐していったというのはあまり正確ではなく、おおむね弥生人と縄文人が適当に共生して交じり合っていって共に人口を増やしていったようだ。おそらく、まだ日本列島の人口が少なくて土地が十分にあって、争う必要があまりなかった。
それでも、弥生人の生活様式・言語・風習を拒否する縄文人も中にはいただろう。そういう人々は農耕により人口を増す弥生人そして共生する縄文人の前では、ただ立去るより他なかっただろう。
因みにアイヌ人16人のY染色体の解析結果では皆上記のCタイプとDタイプに属していたそうだ。
上記、40%+30%+20%=90%だが100%ではない。その他にNとかQタイプが日本人に分布する。
特にQタイプは面白い事にネイティブアメリカン(アメリカ大陸原住民)と共通する。マヤ文明・インカ文明・アズテック文明と創った民族と祖先を共通とする人々が日本人のなかにいるのだ。
もう一つ面白いのは高見山・曙・小錦・武蔵丸といったポリネシア人はO1aに属する人が多い。O1aは日本人の30%が属すO1bの兄弟みたいな人々だ。このO1aタイプをもつ人々は台湾を起点にして島伝いにインドネシアに向かい、さらにメラネシア諸島からサモア島へ、そしてタヒチ島へ、さらにハワイ諸島へ、イースター島へ、さらに西暦1,200年頃にニュージーランドに到った[2]。
ニュージーランドはマオリ語でAOTEAROA(アオテアロア)という。意味は「白く長い雲のたなびく地」だ。
ポリネシア人がタヒチ島からはるばるカヌーを漕いでやってきた。360度海と空しかない。その空に、「白く長い雲」がたなびいていた。
カヌーの人々は確信した、「その雲の下には大地があるはずだ」。
それがニュージーランドだった。