Angus Maddisonというイギリスの歴史経済学者が西暦1年からの世界の国の人口とGDPの推計値をまとめている。Maddisonさんは2010年に亡くなっているけれどもその遺志はGroningen大学に引継がれて
"Historical Statistics of the World Economy: 1-2008 AD" という名のxlsファイルを誰でも見る事ができるようになっている。
www.ggdc.net/maddison/historical_statistics/horizontal-file_02-2010.xls
そこから西暦1年の人口推計を見てみる。
日本は300万人となっている。その根拠は知らない。知りたいものだがそこまで文献を探していない。
小山さんの推計によれば西暦200年に北海道を除く日本の人口は約60万人だから大体5倍程の違いがある。
しかし、まあ2000年前の文字記録のない時代を推測するから、5倍程度の違いは想定内の誤差と言っていいと思う。
Maddisonさんは小山さんの推計を知っていただろうか?
Maddisonさんは同じ西暦1年の中国の人口を5960万としている。これは漢書地理志の数字をそのまま引用した。
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他に人口の多いところはあるか?
実はインドが7500万人と断トツに多く、世界ナンバーワンだ。
昔から、インド・中国は人口が多かった。それは食料の生産力が高かったからだろう。
ローマ帝国はどうだろう?
イタリア: 800万
フランス: 500万
ドイツ: 300万
スペイン: 375万
ギリシャ: 200万
ユーゴスラヴィア:150万
トルコ: 800万
イラク: 100万
エジプト: 450万
アルジェリア: 200万
モロッコ: 100万
位で後は記載がない。全部合わせて4000万人くらいか。ローマ帝国全体で中国と大体同じ人口だろう。
ローマ帝国と敵対するイラン(当時のパルチア)は人口400万人だ。当時400万も人口があれば大国だったと思う。
南北アメリカ大陸では、マヤ・アズテック文明のメキシコが220万人だ。インカ文明はまだ計算されてない。
以上、Maddisonさんは西暦1年に全世界で2億2000万人の人口だったとする。
この数字がどのくらい正しいかについてはわからない。たぶん本人もかなりエイヤッパで決めた所もあると思う。重要なのはその時点でのベストゲスとして勇気をもって公開することだ。