わからんから面白い魏志倭人伝

三国志の時代の魏志倭人伝にはわからん事が多い。わからんからそのまま想像力を働かして楽しんじゃお!

台風の強さ、ついでにハリケーンも

台風15号に襲われてから11日が経ったが、電信柱が折れたりして、未だ停電から復旧していない家が千葉県内に114800軒もある(teideninfo.tepco.co.jp)。

我が家は20時間の停電を経験したけれども、それでも十分辛かった。とても他人事とは思えない。

www.aki104.com
テレビの映像では停電の他にも、屋根が吹き飛ばされた家が多くあるのがわかる。

また、学校の窓ガラスが割れているのもある。風だけで窓ガラスが割れるとは相当な風力だった。

このように今回の台風は中心気圧(960ヘクトパスカル)だけで見ると、めちゃくちゃ強いものでもないのに風による被害が甚大だった。

気象庁がしつこく警告していた。そのとおりだった。

 

そこで台風の強さについて調べた。台風の強さは、中心気圧でなく、風速で決める。

・台風       風速17m/秒以上   時速 61km以上

・強い台風     風速33m/秒以上   時速119km以上

・非常に強い台風  風速44m/秒以上   時速158km以上

・猛烈な台風    風速54m/秒以上   時速194km以上

しかし、私のように中心気圧に慣れ親しんだ者には風速で言われてもどうもピンとこない。それはおそらく気象庁の人も同様だろう、というわけで日本では中心気圧も併記する。

アメリカでは中心気圧を言わないから、私などはハリケーンの強さがさっぱりわからなかった。

ともかく、今回の台風は中心気圧は960ヘクトパスカルでむちゃくちゃ強いわけではないが、コンパクトであったがために中心付近の風速が非常に強くなったようだ。

被害に直結するのは風速であって中心気圧ではない。風速を主にするべきだろう。

次にその風速だが日本では秒速で表現する。これもまたぴんと来ない。

上の表で、秒速の他に時速も記した。1時間は3600秒だから3600倍してkm単位にした。

これだとすこしピンとくる。例えば「大谷さん」の投げるボールが非常に強い台風と同程度だとわかる。

あるいは新幹線のスピードは猛烈な台風以上だ。

 

今回の台風15号は千葉市で風速57m/秒を記録した。

これは上の猛烈な台風に相当するではないか。と考えそうだが、実はそうでもない。

風速57m/秒は瞬間風速だ。

一方上記表の風速は10分間の風速の平均だそうだ。

風の音を聞いていると、決して一様に吹いているわけではない。強くなったり弱くなったり、いわゆる「風の息」をしている。その一瞬の強い時の風速が瞬間風速になる。

金沢気象台のお天気まめ知識

https://www.jma-net.go.jp/kanazawa/mame/kaze2/kaze2.html

に具体例で説明がある。その例では

瞬間風速は25.7m/秒 なのに対し、

風速つまり10分間平均風速は13.8m/秒 となる。

かなり差があるものだ。瞬間風速が風速の2倍程になった。

そうなると、風速と瞬間風速の関係性に興味がある。上記HPには

「一般的に、瞬間風速は平均風速の1.5から2倍近い値になります。」とある。

なるほど。

そうすると瞬間風速57m/秒は、風速30m/秒から40m/秒となって「強い台風」に分類されるから、気象庁が事前に言っていた範囲だ。

 

ここで、ハリケーンと比較する。というのは数字だけ見るとハリケーンの方が大幅に強いように見えるからだ。

以下ハリケーンのカテゴリーだ。

・カテゴリー1   風速33m/秒以上   時速119km以上

・カテゴリー2   風速43m/秒以上   時速155km以上

・カテゴリー3   風速50m/秒以上   時速180km以上

・カテゴリー4   風速59m/秒以上   時速212km以上

・カテゴリー5   風速70m/秒以上   時速252km以上

 原因は風速の定義が異なる点だ。

ハリケーンの風速は、1分の平均風速で求める。

台風の風速は10分の平均風速だ。

どちらが大きく出るかというと当たり前だけど1分の平均風速だ。

どれくらい差があるかというと、1.2-1.3倍の差らしい。

1.3倍とすると、「猛烈な台風」がちょうどカテゴリー5のハリケーンに対応する。

猛烈な台風(~カテゴリー5ハリケーン)は中心気圧が895ヘクトパスカルなどと、900以下になることもある。今年ではハリケーンドリアンが一時カテゴリー5だったらしい。

ほかの「強い台風」「非常に強い台風」は、カテゴリーとの対応関係がはっきりしない。

台風とハリケーンとは、風速の計算法も異なり、強さの分類法も異なる。気象学的にはまったく同じものであるにもかかわらずだ。

 

以上、なんとなくすっきりしない。

 

こうした基準は全世界共通にできないものだろうか?

それぞれの国のメンツや歴史的経緯もあるだろうが、計算法や分類法(カテゴリー分け)をなんで標準化できないのか?

通化・標準化はヨーロッパ人が得意だが、そのヨーロッパには台風もハリケーンもないから、ヨーロッパに期待できない。

南太平洋とインド洋にはサイクロンが発生する。これらをウオッチしているのはオーストラリアやインドだろうか。

それから南インド洋にもサイクロンが時たま発生してマダガスカルを襲ったりする。

台風は、日本の他、中国、台湾、フィリピンにもやってくる。

そうすると、日本とアメリカのほか、オーストラリア、インド、マダガスカル、中国、台湾、フィリピンなどを含めて協議することとなる。

うーん、共通化・標準化は当分無理かもしれない。