一百七十九万二千四百七十余歳
というとんでもなく大きく長々しい数字が、なんの脈絡もなく突然に出てくる。
179万年前というとまだ現生人類もいない、直立猿人の時代だ。
昔の人も戸惑ったらしく、後から紛れ込んだだろうとか、
いや最初からあってもおかしくない、とかいろいろ言うが、
結局どんな意図があるのかわからない。
誰がどうしてこんな数字をいれたのかわからない。
ここでは、純粋に数字としての
1792470
を考えてみる。
いろいろやってみると
1792470 = 30 X 149 x 401
だとわかる。うん、なんとなく意味がありそうな無さそうな分解のされ方ではないか。
これは次のように書ける。
1792470 = 30 X (150ー1) X (400+1)
そうすると、もともと
1800000 = 30 X 150 X 400
つまり、180万と入れようとしたが、それでは面白くない、ちょっとひねってやろう、
ということで 150を(150-1)、400を(400+1)に変えて
みたと想像できる。
頭の30は干支の1周期が60年であるのと関係しそうだ。
さらに面白いのは149と401が素数であることだ。
素数とは2、3、5、7、11、13、、、、と続く、
1以外の数では割切れない自然数だ。
ちょっと見たところ、149と401が素数かどうかはわからない。
それ自身より小さい数で割切れるかどうか一々チェックしなければならない。
ともかく149と401は素数だ。
また、当時、素数という概念が、おそらく中国にはあったろうが、
辺境の日本にはたぶんなかった、と思う。
よって、この数の作者は中国あるいは朝鮮半島の、数学の素養を
もつ人だったと考える。
これは一種の暗号だ。
現在でも二つの大きな素数の積を暗号として用いる。
二つの大きな素数を掛け算した数字を暗号として提示された相手方は、
コンピュータでも膨大な時間がかかるから、
もともとの二つの素数に分解できない。
そうした暗号のはしりとみなすことができる。
密かに、素数を二つ組込んで、作者は独り悦にいっていた、
と想像すると結構面白い。